2020.03.12 新築
今回紹介するご希望は、建物のシンプルなデザインに似合う、屋根と外壁。
屋根の裏側に長持ちさせるための秘策をご紹介します。
*場所/神奈川県横浜市(美しが丘)
*実施概要/屋根、外壁の施工
*工期/約1ヶ月半
*予算感/約250万
外壁は、通気の方向と流れを計算し下地の取り付けをし、モルタルから仕上げ塗装まで綺麗にしていきました。続いて屋根です。
下地の雨漏りを防ぐ作業(ルーフィング)も、角や隅まで綺麗に施工し、屋根全体で雨への耐性を強めます。
外壁と屋根の接続部分は雨漏りしやすい場所のため、”雨押え”を実施します。
一般的には屋根材を立ち上げ接続部分に被せて終わるのですが、
当社の施工は屋根材を立ち上げる前に、2つ工夫をしています。
ひとつめは、垂木という支えになる木材を打ち付け、そこに貫板と言われる板材を取り付けます。
貫板は、通常15ミリを使用する事が多いですが、
15ミリを使用すると木材の収縮に伴い打ち付けた釘が抜けやすくなります。
そして強風時に屋根が飛ばされる被害に合いやすくなってしまいます。
そのため、当社では必ず18ミリを使用しています。
たかが3ミリ、されど3ミリです。
(釘が抜けやすくなった事例写真)
二つめは、貫板にさらにL字状の板金を取り付けることで、雨風が吹き込むことを防ぎ木材の劣化を防止します。
屋根の先端に外気の取り込み口を設置しています。
この工夫により外気が、屋根裏の空気や湿気も連れて、屋根頂部から外に流れていきます。
また屋内の空気も循環し、断熱効果を高めます。
こういった工夫を凝らしてできたのが今回の施工です。
シンプルなデザインを生かしたまま、長持ちする屋根と外装に仕上がりました。
屋根の施工は外観の美観も大切ですが、一番大切なのは見えないところがいかに工夫されているか、です。
通気や雨漏りなどを考え、きちんと細部まで施行されているのか。
人と一緒で、見えないところに本質と大切なものがあるように思います。
企画・構成:松永 亨
文章:AnyMaMa編集部(https://anymama.jp/)
松永 亨
”あったらいいな”をテーマに、さいたま市で株式会社プラウドという板金工事業を創業しました。
九州は熊本出身で、元は船乗り(漁船ではありません、航海士です)で商社出身の工事業には珍しい経歴です。
建築資材の商社に勤務したことで、建築業界の人と人のつながりの強さと、心意気、
そして想いを形にすることの大変さと、協力しあって作ることの楽しさに触れ、工事業を創業しました。
趣味は、座禅とビリヤード、車とドライブです。
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